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023  「村野藤吾」建築勉強会(第1学舎エリア編 その4)

千里山建築幹事会では、「もっと千里山キャンパスの建築、特に村野建築を勉強しよう!」ということで、定期的に勉強会を行うことになりました。

村野藤吾の建築の価値をいかに見出していくか?というところに主眼点があります。

そのために、ロケーションや歴史、今の使われ方などをしっかり学んで、その保存や利用につなげたいと思います。

第1学舎エリア最後は第1学舎2号館・3号館です。その3はこちら

第1学舎3号館

この階段不思議だと思いません?

北側階段室2階部分です。
2階部分の別アングル。
1階部分
ここは3階部分。突き当たりがトイレになっています。
3階部分の別アングル。
下からみるとこんな感じです。

天井の窓際部分がカットされています。

恐らく昭和40年代の写真。奥が2号館、左側が3号館

第1学舎2号館

1階ピロティの端はこのように柵?が設置されています。
大教室はこんな感じです。ひし形の中に机が配置されています。
1階平面図(不思議な階段が反映された図面は入手出来ませんでした)
右側の大きな教室が二つ並んでいるのが2号棟、上に4つ教室が並んでいるのが3号棟。2号棟の教室は菱形使いで四角形の頂点部分に壁を作り、黒板・教壇スペースとしている。300人程度の収容人数。3号棟の教室は50人程度の小教室で当時は主に語学教室として使われた。

第1学舎2号館のデータ

構造:鉄骨・鉄筋コンクリート造陸屋根3階建
建築面積:1,131.42㎡
延床面積:2,834.46㎡
竣工年:1967(昭和42)年

第1学舎3号舘のデータ

構造:鉄筋コンクリート造陸屋根地下1階付7階建
建築面積:559.3㎡
延床面積:2,874.36㎡
竣工年:1967(昭和42)年

第1学舎2号館、3号館を見学した幹事の意見

  • 不思議な階段。
  • ピロティのフェンスがおしゃれ。
  • 事務職員にとっては、2号館102教室は試験監督の際の答案配布が苦労しました!

第1学舎エリアは以上、第2学舎エリアに続く…

20230902

022  「村野藤吾」建築勉強会(第1学舎エリア編 その3)

千里山建築幹事会では、「もっと千里山キャンパスの建築、特に村野建築を勉強しよう!」ということで、定期的に勉強会を行うことになりました。

村野藤吾の建築の価値をいかに見出していくか?というところに主眼点があります。

そのために、ロケーションや歴史、今の使われ方などをしっかり学んで、その保存や利用につなげたいと思います。

第1学舎エリアその3です。その2はこちら

法文研究室1号棟、2号棟

法文研究室1号棟の入り口。2023年9月2日撮影。
雰囲気のある階段

外壁タイルについて

法文研究室1号棟と2号棟ではよく似ているが違う表情のタイルが使用されています。

法文研究室1号棟の外壁タイル:凸
法文研究室2号棟の外壁タイル:凹
1号棟の足元は少し立ち上がって、通気口があります。第4学舎2号館と同様です。
2号棟の足元はこんな感じで巾木のようなタイル割で地面に潜っています。
法文研1号棟(1959年)と2号棟(1967年)の配置。1号棟のタイルは凸型、2号棟のタイルは凹型

当時のタイルをお借りしました。

1号棟につかわれているのと同じものと思われます。表面のようです。
こちらは裏面。取付ワイヤーのようなものがタイルにつけられています。ワイヤーの根本は斜めにカットされています。
こちらは2号棟に使用されているタイルと同じものと思われます。表面。
こちらが裏面。モルタルが貼り付いています。

法文研究室1号棟のデータ

構造:鉄筋コンクリート造陸屋根5階建
建築面積:449.02㎡
延床面積:1,883.77㎡
竣工年:1959(昭和34)年

法文研究室2号棟のデータ

構造:鉄筋コンクリート造陸屋根地下1階付7階建
建築面積:566.73㎡
延床面積:1,162.12㎡
竣工年:1967(昭和42)年

法文研究室1号棟、2号棟を見学した幹事の意見

  • 廊下の雰囲気が良い。
  • 階段の手すりがオシャレ。
  • 1号棟と2号棟のタイルは見た目は同じ感じだが、凹凸が違う物が使われている。

その4につづく…

20230902

021 「村野藤吾」建築勉強会(第1学舎エリア編 その2)

千里山建築幹事会では、「もっと千里山キャンパスの建築、特に村野建築を勉強しよう!」ということで、定期的に勉強会を行うことになりました。

村野藤吾の建築の価値をいかに見出していくか?というところに主眼点があります。

そのために、ロケーションや歴史、今の使われ方などをしっかり学んで、その保存や今後の利用につながれば、と思います。

第1学舎エリアその2です。その1はこちら

岩崎記念館

岩崎卯一先生の銅像が建物の前にあります。2023年9月2日撮影。
この建物の特徴は窓。1階は凹み、2・3階はツライチ、4階は出っ張っています。
玄関はこんな感じでオシャレ。
昭和57年の航空写真。矢印の建物が岩崎記念館。
昭和50年頃の写真。学生たちが芝生でくつろいでいます。建物のプロポーションが美しく、玄関のキャノピーも軽快。このアングルでの写真は現在撮れません。
玄関部分、外側から内部のホールにかけて、このようなタイル割りになっています。職人技!

岩崎記念館のデータ

構造:鉄筋コンクリート造陸屋根地下1階付4階建
建築面積:639.61㎡
延床面積:2,686.98㎡
竣工年:1974(昭和49)年

1階平面図

岩崎記念館を見学した幹事の意見

  • 仮に建て替えるとしたら、何が不便なんだろう?いろいろな意味でまだまだ使える建物
  • 玄関ホールの床タイルの貼り方は貴重
  • 各階で窓の表情(凹んでいたり出っ張っていたり)が違うデザインは現在では見られない

その3につづく…

20230902

020 「村野藤吾」建築勉強会(第1学舎エリア編 その1)

千里山建築幹事会では、「もっと千里山キャンパスの建築、特に村野建築を勉強しよう!」ということで、定期的に勉強会を行うことになりました。

村野藤吾の建築の価値をいかに見出していくか?というところに主眼点があります。

そのために、ロケーションや歴史、今の使われ方などをしっかり学んで、その保存や今後の利用につながれば、と思います。

第1回目は第1学舎エリアです。2023年9月2日に見学しました。

まずはこのキャンパスマップから。

画像をクリックすると拡大できます。

今回は第1学舎エリアを回りました。赤丸の部分です。

見学した村野建築は以下。それでは行ってみましょう!

  • 簡文館(博物館) 図中①
  • 法文研究室1号棟 図中②
  • 法文研究室2号棟 図中③
  • 第1学舎2号館  図中⑤
  • 第1学舎3号館  図中④ 
  • 岩崎記念館    図中⑥

簡文館

簡文館の一部は博物館として公開されています。20230902撮影。
写真は昭和3年頃。赤矢印の建物が新築当初の簡文館。
昭和30年頃。第1学舎1号館新築の際、図書館(=現在の博物館)部分で簡文館(赤矢印)と接続された。
スロープはユニークな導線で、かつては実用されていた。
このスロープの基礎はコンクリート製の擬石で村野藤吾自らが左官職人と仕上げた、とのこと。
昭和12年頃。恐らく現在の博物館2階特別展示室(第1展示室)部分。
昭和30年頃。室内の明かりはトップライトと吊り下げ照明器具。
増築の経緯がわかる図面を大学管理部署から提供いただきました。

簡文館のデータ(いずれも竣工当時のデータ)

1928(昭和3)年竣工部分

構造:鉄骨・鉄筋コンクリート造陸屋根地下1階付4階建
建築面積:411㎡
延床面積:1,302.02㎡

1955(昭和30)年竣工部分(村野建築)

構造:鉄骨・鉄筋コンクリート造陸屋根地下1階付4階建
建築面積:384.7㎡
延床面積:1,033.24㎡

2006(平成18)年竣工部分

構造:鉄骨・鉄筋コンクリート造陸屋根地下1階付4階建
建築面積:445.51㎡
延床面積:1,587.51㎡

簡文館を見学した幹事の感想

  • 1928(昭和3)年竣工部分は千里山キャンパスに現存する最古の建物
  • 村野建築の部分は円形だから使いにくいという意見があるが、当初は図書館として建てられたので理解できる。改修しつつ永く使うためには用途もよく考えるのが良い。
  • これは建て替えへんやろ…

簡文館だけでこんなボリュームになってしまいました。その2に続きます…

20230902

019 幹事会飛鳥合宿

みなさま幹事会で飛鳥合宿を行いました。

合宿の議題
・千里山建築会の今後について
・ロゴマークについて
・千里山キャンパスの建物についての提案
・その他

関西大学飛鳥文化研究所

飛鳥文化研究所はセミナーハウスとして、ゼミ合宿等に利用されていて、関西大学教育後援会のウェブサイトには次のように紹介されています。

この関西大学飛鳥文化研究所・植田記念館は、元・教育後援会会長植田正路氏からの多額の寄付によって、昭和50年3月、奈良県高市郡明日香村稲渕に本館が建設されたのがはじまりです。

昭和47年、関西大学の手により高松塚古墳で彩色壁画が発見されて日本古代史が脚光を浴びましたが、植田氏は日夜発掘や調査を続けるスタッフの健闘を目の当たりにして、明日香の地に教育と研究のための施設があればという思いに駆られ、実現を見るにいたったものです。

教育後援会の紹介サイトは以下

過去の投稿記事はこちら

館内見学

さて、今回の参加者にこの飛鳥文化研究所・新館の施工を担当された安藤さん(14期)が居られまして、解説をしていただきながらぐるっと一周まわりました。

館内はこんな感じで小さな棟が渡り廊下でつながっている。
軒先のRCができるだけ薄く見えるように工夫された(施工が大変だった)とのことです。

こんな仕掛けもあります。
教室の椅子は竣工当時から使用されていて、このようにスタッキングできるもの。長時間座っているとお尻が痛くなるので座布団が設置された。
森本靖一郎文庫(対面には、久井忠雄文庫、稲野治兵衛文庫もあります)
中庭に設置された水時計
元となった「水落遺跡の水時計装置」の説明プレート
食堂にて

食後の懇親会では、いろんなお酒も飲みながら、さまざまな意見が出され、ゆったりと、かつ、たくさんの議論・情報共有ができました!

なかでも、千里山建築幹事会ではまず、定期的に勉強会を行って千里山キャンパスの建物を知ろう、ということになりましたので、今後それらの様子も報告する予定です。

2日目・飛鳥散策

定番の石舞台
中の様子
飛鳥寺
本尊飛鳥大仏 鞍作鳥によって造られた日本最古(609年)の銅像

この投稿は2022年5月の総会で、私、市原が会長に推薦された際、所信表明で「HP活用のために任期中に100本の投稿をする」と発言したことに基づく企画であります。

本企画の記事は以下1~4のいずれかを満たす投稿としています。

  1. 会則の目的に「会員相互の親睦を図る」とあり、卒業生にできるだけ有用な情報を提供すること
  2. 同じく「関西大学建築学科の発展に寄与」するため、現役学生と卒業生をつなぐ情報であること
  3. 同じく「建築に関する学術・技術の進歩発展に寄与」するための情報であること
  4. 「建築」という単語を入れること

20230702

2023千里山建築会懇親会を開催しました!

2023年4月2日 スプリングフェスティバルで教室をお借りして、懇親会を行いました。

13名の同窓生が集まり、昔話、今の仕事の話、大学の話などで盛り上がりました。新しい企画なども提案されましたので、出来ることから具体化したいと思います。

ブックスワップも面白そうな本が集まりました。皆さん気に入ったものを持ち帰っていただきました。残ったものは関大古本募金にする予定です。

20230402

千里山建築会懇親会を行います!

2023年4月2日(日)校友会スプリングフェスティバルにおいて、千里山建築会懇親会を行います!

校友会ホームカミングデー ~2023スプリングフェスティバル~ が開催されます。

例年同様、(大学の配慮により)教室を使用して、組織の総会・懇親会、ゼミ・クラブの懇親会が開催できます。

2023年3月28日の様子です(満開)!

千里山建築会も懇親会を以下の通り予定しております。

日時:2023年4月2日(日) 12:00〜
場所:第2学舎2号館C503教室 こちら資料ご参照ください。
参加費:1,000円
備考
①会場でブックスワップを行います。前回の様子はこちら
 ・参加者は不要な本を何冊かお持ちください。
 ・懇親会会場にそれらの本を並べます。
 ・参加者は懇親会会場に並んでいる中に、
  欲しい本があれば持って帰ってください。
 ・本の残部は関大に寄贈します。
②午前中に博物館主催のツアーありますのでご興味ある方はどうぞ。こちらご参照ください。

みなさま、是非お越しくださいませ。

2023年3月28日の様子です(満開)!

20230323

ご卒業おめでとうございます!

今年2023年は、皆さんにとって、大学で学んだことをもとに新しいことに挑戦する年になるでしょう。自分で解決しなければならないことも多いですが、同期の様子を聞いたり、先輩に相談したりすることで、ヒントが得られることもあります。

大学は学びの場であると同時に、人とのつながりが育まれる場です。

千里山建築会は関西大学建築学科の同窓会です。皆さんも「同窓の輪」に加わり、会社以外の、もう一つのネットワークを持っておきませんか?

関西大学建築学科は開設から50年を超え、卒業者数は約6,500人、社会に出ると、建築業界を中心に幅広い分野で活躍する関西大学建築学科のOB、OGに出会うはずです。

ぜひ、千里山建築会にご入会ください!

年会費

1,000円
ただし今年度卒業生は無料
4年ごとの総会開催時に4年分:4,000円を徴収、次回総会は2026年

卒業記念特典

今、ご入会の新卒生会員は、2023〜2025年度3年分の会費が無料

会員向け活動

  • ウェブサイトでの情報発信・会報の発行(年1回程度)
  • 4年に一度、総会・懇親会を開催
  • 毎年スプリングフェスティバル時に懇親会等を開催
  • その他、見学会、講演会等を計画中(開催に関しては上記ウェブサイトで随時お知らせします)

お願い

卒業後、連絡先の変更があった場合は、こちらからぜひお知らせください。

20230320

【展覧会のお知らせ】2022年度 関西大学と村野藤吾~設計図・写真・絵画~

こんにちは。

今回は現在、関西大学博物館で開催している「関西大学と村野藤吾」展についてのお知らせです。

「関西大学と村野藤吾」展は、2015年から恒例の展示として行われてきましたが、今年で最後となります。

2月25日(土)までともう残りの期間は短いですが、是非、ご覧いただければ幸いです。

円神館全面改修したときに取っておいた、窓のハンドルも展示しています!

博物館のホームページからは展示についてや建物の簡単な解説もございます。是非そちらもご覧ください。

20230222

018 村野建築探訪 ~カトリック宝塚教会~

こんにちは。

今回は、前回の宝塚市役所から引き続き、宝塚カトリック教会の見学会のレポートです。
阪急宝塚南口から逆瀬川方向へ向かって歩いていくと、線路沿いにすっと伸びるとんがり帽子が見えてきます。(写真は線路を渡れず、逆瀬川側から撮ってます。)
そう、カトリック宝塚教会です。

仕上げは粗目です。

写真で見るよりも、もっと粗い感じです。

細かい影ができ

竣工は1965年。

地面と建物の境を薄くデザインされていることから、
「生えているかのような建築」と呼ばれるの村野建築の一つです。
千里山キャンパスの特別講堂・現KUシンフォニーホールもそうですね。

建物の角のガーゴイル部分、村野建築らしく雨仕舞のこだわりが強い。

正面から

ハイヒールをひっくり返したシルエットからヒントを得たという話や、クジラをイメージしたという話もあるようです。

天井の波打った板張りが、多様な窓から入ってくる光や照明を反射しています。また、壁の荒い素材とも対比して、とても幻想的です。

階段もとても有機的です。

見学は、一般の方も可能なようです。

是非一度訪れてみてはいかがでしょうか。

次回は、大庄村役場についてです。お楽しみに!


この投稿は2022年5月の総会で、私、市原が会長に推薦された際、所信表明で「HP活用のために任期中に100本の投稿をする」と発言したことに基づく企画であります。

本企画の記事は以下1~4のいずれかを満たす投稿としています。

  1. 会則の目的に「会員相互の親睦を図る」とあり、卒業生にできるだけ有用な情報を提供すること
  2. 同じく「関西大学建築学科の発展に寄与」するため、現役学生と卒業生をつなぐ情報であること
  3. 同じく「建築に関する学術・技術の進歩発展に寄与」するための情報であること
  4. 「建築」という単語を入れること

20230220