029 「村野藤吾」建築勉強会(第4学舎エリア編 その1)

千里山建築幹事会では、「もっと千里山キャンパスの建築、特に村野建築を勉強しよう!」ということで、定期的に勉強会を行うことになりました。

村野藤吾の建築の価値をいかに見出していくか?というところに主眼点があります。

そのために、ロケーションや歴史、今の使われ方などをしっかり学んで、その保存や今後の利用につながれば、と思います。前回の勉強会はこちら。

第4回目となったこの勉強会、今回は我らがまなびや第4学舎エリアです。2023年12月9日に見学しました。

まずはこのキャンパスマップから。

第4学舎エリアは赤丸の部分で見学した村野建築は以下。それでは行ってみましょう!

  • 第4学舎1号館 図中⑪
  • 第4学舎2号棟 図中⑫
  • 第4学舎2号棟大教室棟 図中⑬ 

第4学舎1号館

1960(昭和35)年撮影。赤矢印の白い建物の細いシルエット部分が個人研究室、太いシルエット部分が教室・研究室部分、階段室と渡り廊下でつながっている。
右側に見える低層棟群は「工学部実験実習場」

天六学舎から千里山キャンパスへの移転

技術者を求める時代の要請に応え、1958(昭和33)年4月、工学部が設置された。当初は天六学舎で開講していた。上記写真のように千里山キャンパスに、まず実験実習場が1959(昭和34)年4月から工事が始まり、1960(昭和35)年3月に完成、同9月に第4学舎1号館が竣工し、工学部が千里山キャンパスへ移転した。

増築・耐震改修

第4学舎リノベーションの一環として、2017(平成29)年に1号館の増築・耐震改修が行われました。

増築・耐震改修の概略図
・既存1号館の玄関前に建物を新築する。
・既存建物と新築建物をダンパーで繋ぐ(既存建物を新築建物で支える)
・既存建物は脆いので引張ワイヤーを各階の天井スラブに、また補強プレートを各階長手外壁部分に設置して強度を上げる。
新築建物と既存建物を繋ぐダンパー
3階の平面図。赤い矢印部分にダンパーが設置されている。
1階平面図。既存建物の玄関部分で新築建物と一体化させている。

第4学舎1号館のデータ

1960(昭和35)年竣工部分
構造:鉄筋コンクリート造陸屋根地下1階付5階建
建築面積:1,596.75㎡
延床面積:6,689.25㎡
竣工年:1960(昭和35)年

増築部分
構造:鉄筋コンクリート造陸屋根地下1階付5階建
建築面積:333.23㎡
延床面積:1,302.09㎡
竣工年:2017(平成29)年

第4学舎1号館を見学した幹事の意見

  • 建物を残すために増築部分と繋ぐ発想が素晴らしい!
  • 教授棟部分のエントランスロビーは竣工当時の状態がほぼ残っていて、そこから階段への雰囲気が良い。
  • 教室棟部分と教授棟部分は階高が違って、その間の階段室がこれまた不思議なつくりになっている。

その2につづく…

20231209

「029 「村野藤吾」建築勉強会(第4学舎エリア編 その1)」への1件のフィードバック

コメントは停止中です。