020 「村野藤吾」建築勉強会(第1学舎エリア編 その1)

千里山建築幹事会では、「もっと千里山キャンパスの建築、特に村野建築を勉強しよう!」ということで、定期的に勉強会を行うことになりました。

村野藤吾の建築の価値をいかに見出していくか?というところに主眼点があります。

そのために、ロケーションや歴史、今の使われ方などをしっかり学んで、その保存や今後の利用につながれば、と思います。

第1回目は第1学舎エリアです。2023年9月2日に見学しました。

まずはこのキャンパスマップから。

画像をクリックすると拡大できます。

今回は第1学舎エリアを回りました。赤丸の部分です。

見学した村野建築は以下。それでは行ってみましょう!

  • 簡文館(博物館) 図中①
  • 法文研究室1号棟 図中②
  • 法文研究室2号棟 図中③
  • 第1学舎2号館  図中⑤
  • 第1学舎3号館  図中④ 
  • 岩崎記念館    図中⑥

簡文館

簡文館の一部は博物館として公開されています。20230902撮影。
写真は昭和3年頃。赤矢印の建物が新築当初の簡文館。
昭和30年頃。第1学舎1号館新築の際、図書館(=現在の博物館)部分で簡文館(赤矢印)と接続された。
スロープはユニークな導線で、かつては実用されていた。
このスロープの基礎はコンクリート製の擬石で村野藤吾自らが左官職人と仕上げた、とのこと。
昭和12年頃。恐らく現在の博物館2階特別展示室(第1展示室)部分。
昭和30年頃。室内の明かりはトップライトと吊り下げ照明器具。
増築の経緯がわかる図面を大学管理部署から提供いただきました。

簡文館のデータ(いずれも竣工当時のデータ)

1928(昭和3)年竣工部分

構造:鉄骨・鉄筋コンクリート造陸屋根地下1階付4階建
建築面積:411㎡
延床面積:1,302.02㎡

1955(昭和30)年竣工部分(村野建築)

構造:鉄骨・鉄筋コンクリート造陸屋根地下1階付4階建
建築面積:384.7㎡
延床面積:1,033.24㎡

2006(平成18)年竣工部分

構造:鉄骨・鉄筋コンクリート造陸屋根地下1階付4階建
建築面積:445.51㎡
延床面積:1,587.51㎡

簡文館を見学した幹事の感想

  • 1928(昭和3)年竣工部分は千里山キャンパスに現存する最古の建物
  • 村野建築の部分は円形だから使いにくいという意見があるが、当初は図書館として建てられたので理解できる。改修しつつ永く使うためには用途もよく考えるのが良い。
  • これは建て替えへんやろ…

簡文館だけでこんなボリュームになってしまいました。その2に続きます…

20230902