027 「村野藤吾」建築勉強会(第3学舎エリア編 その1)

勉強会が3回目となりました。

今回は第3学舎エリアです。

  • 第3学舎1号館 図中⑲
  • 関西大学会館  図中⑳

第3学舎1号館

この建物は1968(昭和43)年に竣工しています。前回取り上げた経商研究棟のⅡ期工事と同時竣工です。経商研究棟のⅡ期竣工当時の建物名称は「社会学部研究室」でした。前回の投稿はこちら。

昭和44〜45年頃の全景写真
別の角度から(竣工当時の写真)
竣工当初のロビー。2階部分も含めて開放感のある空間(現在は間仕切りされたのが残念)。
これまでの勉強会でも記載されてきた、教室扉と欄間窓のデザイン。
少し浮き上がって見える(見せる)階段もあちこちにある村野建築の特徴
厨房に続くスロープ(現在でも活用されている)

第3学舎1号館は2015(平成27)年に耐震改修・リノベーションが完了しました。これは社会学部創設50周年に向けての取り組みで、社会学部のウェブサイトに詳しい記述があります。「関西大学社会学部のあゆみ」こちらをご参照ください。

社会学部開設50周年で設置された歴史コーナー
千里山遊園時代から残っていた池から第3学舎1号館を望む。当時の学生が何かの活動をしている模様。
増築が進んで複雑になった学舎の1階平面図(赤いラインが本来の1号館外壁)

第3学舎1号館のデータ

構造:鉄骨鉄筋コンクリート造陸屋根地下1階付5階建
建築面積:1,295.05㎡
延床面積:5,633.04㎡
竣工年:1968(昭和43)年

第3学舎1号館を見学した幹事の意見

  • 中央階段の竪穴区画はシャッターにするか、もう少し細いデザインに出来なかったのだろうか?
  • 竣工当時のエントランスロビーの雰囲気が良い。応接室に区切ってしまっているのは残念。
  • 改修で吹き抜けを塞がなければならなかったのは残念。掃除しないと…
  • 模型の展示や学舎、学部発展の展示コーナーが素晴らしい。建築学科のある第4学舎にこそ必要。
  • 教室の入り口扉と上部窓のデザインが第2学舎と同様になっていて面白い。第2学舎は木製扉だが、第3学舎は鉄扉になって防音効果も上がっているだろう。
  • 第1学舎3号館同様不思議な階段…

その2につづく…

20231111