一夜明けまして、オガールの見学からスタート
こちらの敷地を管理されている「高橋局長」がわざわざ時間を割いて案内してくださいました!








右上:紫波町庁舎
左下:建物の1階部分のピロティ通路にはサインが適切に配置されている
右下:エネルギーセンターの概要、間伐材の木質チップによる地域熱供給で、オガール各棟の他隣接する住居にも熱供給をおこなっている

- 10.7ha空き地があり、役場の建て替えあわせた4棟の開発
- 平成24年オガールプラザ 交流センター、歯医者、産直年間3億売上
- 平成26年オガールイン バレーボール専用コート、体育館 とんがった戦略=ピンホールマーケティング
- 平成27年役場国産最大級の木造公共施設
- エネルギーセンター
- 公園3つで1ha、目線を遮る樹木で構成
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千葉家住宅
オガールを出発してふるさと村への途中にある、国指定重要文化財(建造物)で、「千葉家住宅 五棟」というものです。現在保存修理工事中で見学することはできないようですが、駐車場に隣接しているので、このように遠目で見る分には自由にできるようです。
この文化財は、天保年間(1830〜1844)に主屋が建設され、大正末期までに現在のような屋敷構えが整った、とのこと。南部曲り家の分布域南縁に位置するとともに、遠野地方の典型的な間取りで、江戸末期の大型曲り家民家として高い評価がある、ということで現在保存修理工事中になっています。


遠野ふるさと村
ほぼトイレ休憩のように千葉家住宅を見学したあとは、大型施設である「遠野ふるさと村」に到着。
広大な森林の中に広がる8.8haの敷地には、遠野地域に残された江戸時代から大正時代にかけて建てられた貴重な南部曲り家7棟と付属する納屋などが移築され、かつての遠野の山里を再現、田んぼや生活に必要な水路までも再現され、遠野の生活とは切り離せない馬の飼育もおこなっている、とのこと。
縁側での縄ない体験や季節の伝承行事など、気軽に農村生活を体感できるイベントなども用意されています。
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ふるさと村を後にして、この付近を見て回ります。
山口の水車小屋
これはもう動画を見ていただくのが手っ取り早いかと。
デンデラノ




山口、飯豊、附馬牛の字荒川東禅寺及火渡、青笹の字中沢並に土淵村の字土淵に、ともにダンノハナと云う地名あり。その近傍に之と相対して必ず蓮台野(デンデラノ)と云う地あり。昔は六十を超えたる老人はすべて此蓮台野へ追ひ遣るの習ありき。老人は徒に死んで了ふこともならぬ故に、日中は里へ下り農作して口を糊したり。その為に今も山口土淵辺にては朝に野らに出づるをハカダチと云ひ、夕方野らより帰ることをハカアガリと云ふと云へり。
ダンノハナは壇の塙なるべし。即ち丘の上にて塚を築きたる場所ならん。境の神を祭る為の塚なりと信ず。蓮台野も比類なるべきこと「石神問答」中に言ヘり。
以上「遠野物語」より抜粋

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伝承園
遠野地方のかつての農家の生活様式を再現し、伝承行事、昔話、民芸品の製作・実現などが体験できます。園内には国の重要文化財旧菊池家住宅、『遠野物語』に話者であった佐々木喜善の記念館、千体オシラサマの御蚕神堂(オシラ堂)などがあります。郷土料理を堪能できるお食事処もあります。








若き日の佐々木喜善が柳田國男に語った遠野の話を素に書かれた「遠野物語」には、「ザシキワラシ」「カッパ」「オシラサマ」などが出てきますが、この伝承園では、それらについて知ることができます。

此話は全て遠野の人佐々木鏡石(喜善の筆名)君より聞きたり。昨明治四十二年の二月頃より始めて夜分折々訪ね来り此話をせられしを筆記せしなり。鏡石君は話上手には非ざれども誠実なる人なり。自分も亦一字一句をも加減せず感じたるままを書きたり。思ふに遠野郷には此類の物語猶数百件あるならん。我々はより多くを聞かんことを切望す。國内の山村にして遠野より更に物深き所には又無数の山神山人の伝説あるべし。願はくは之を語りて平地人を戦慄せしめよ。此書の如きは陳勝呉広のみ。
遠野物語より、冒頭部分を抜粋

結構怖い話が多いけど、著者による迫力のある内容になっていると思いました。講談社学術文庫「遠野物語 全訳注」という解説本も買ったので、じっくり読んでみたいですね。


右:座敷わらしソフトクリームをいただきました!
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伊藤家住宅
さてこの旅は伝承園で終わるはずでしたが、時間があったので最後にこちらを訪ねました。
国指定の重要文化財(建造物)伊藤家住宅は、花巻市の南端、東和町覚間沢地区の山間部に建っています。由緒や建てられた経緯は明らかになっていませんが、慶長五(1600)年には、伊藤家の先祖がこの場所に住んでいたと言い伝えられています。
昭和51(1976)年に重要文化財に指定され、保存修理工事が実施されました。
建物の特徴としては、岩手県南部の農家の特徴である「内馬屋直家形式」の小規模な建物で、大戸口が「まや(馬屋・厩)」専用であること、棟が芝棟であることが、特殊な点として挙げられます。
以上現地の解説板から抜粋









右上:板間
右下:土間と板間の構造
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以上でツアーは終了です。大変盛りだくさんの内容でしたが、この記事を書くにあたって振り返ると、青森、岩手の文化にどっぷりと触れることができたのは大変貴重な経験になりました。
参加の皆様はそれぞれの方法で帰路につきますので、バスは花巻駅、花巻空港に向かいました。

参加者の皆様、お疲れ様でした。そして企画してくださいました「草屋根の会」の皆様、ありがとうございました。
20250608