「会員寄稿」カテゴリーアーカイブ

ひっそりと余生を送る橋梁

20期 井上寿也

建築物ではなく土木構造物なのですが、これまで実際に訪れて印象深かったものの1つにタウシュベツ橋梁というのがありますので、こちらをご紹介します。

今は廃線となりましたが、北海道の帯広から糠平温泉を通り、十勝三股駅まで結んでいた国鉄士幌線というのがありました。この橋梁は、糠平ダム建設のために、昭和30年にダム湖の中に水没した士幌線のコンクリートアーチ橋なのです。それが、季節によるダムの水位の変化のため、水没したり姿を現したりを繰り返した結果、このような、大変趣のある姿になったというわけです。

私が訪れたのは9月初めで、もう少し遅いと水没するそうなのですが、この年は何とか見ることができました。年月とともに自然に朽ちた姿がまわりの風景とうまくマッチングして、都会の時間に追われたひとときを忘れさせてくれます。同じ環境下で白くなった木の切り株が周囲にあり、この絶妙な風景をさらに引き立てています。できれば、1度冬に訪れてみたいものです。

現地への林道は一般車両通行禁止で、熊も結構でるそうなので、地元のNPO法人の方が有料で案内してくれます。

残念ながら、この橋梁も地震や経年劣化のため損傷が激しくなっており、いつ崩壊するかわからない状況です。しかし、ここまで、自然に任せて朽ちてきたのですから、あえて手を加えて延命させず、自然の流れの中でなくなっていくのは、この橋梁にとってよい形なのかも知れません。

「地区防災計画学会」について (13期 西田)

13期の西田です。

私は、学生時代から社会人になってからも細々と防災分野の調査研究や関連業務を行っています。
そこで、近年活動している「地区防災計画学会」について紹介します。

この学会が設立されたのは、平成26年6月です。
その背景は、平成25年6月に災害対策基本法が改訂され、「地区防災計画制度」が法律で位置づけられました。
そこで、この地区防災計画を普及させるために、調査研究や先進事例等のノウハウを共有する場として、
産学官のメンバーにより創設されました。
これに伴い、内閣府では、「地区防災計画ガイドライン」を作成することとなりました。
この業務に私も関わることとなったことがきっかけとなり、参画・活動しています。

昨年度は、熊本地震の発生に伴い、「熊本地震を踏まえた地域防災力強化の在り方」
と題して、全国各地で研究会を実施しました。

写真は、第2回研究会と第3回大会の時の写真です。

詳細は、地区防災計画学会のホームページをご参照下さい。

https://gakkai.chiku-bousai.jp/info.html