こんにちは。幹事の西田貫人さんから投稿をいただきました!
今回は、昨年の後半に参加した村野建築の見学会の様子を遅ればせながらレポートします。
まずは、宝塚市役所です!

輪郭は、アスプルンドのストックホルム市立図書館にそっくり。3階までのL字型の平面と円形の4階で構成されています。
竣工は1980年。村野作品としては後期の作品。
同年に関西大学第一高等学校(現・1号館)が竣工しています。
プレキャスト・コンクリートで出来たベランダの手すりや、それが屋上までしっかりデザインされている点が、とても一高と似ています。
コンクリートの円柱と手すりが印象的ですが、部屋の外壁は、レンガのようなタイルが用いられています。
村野建築らしいフランス積み。(目地は太めでほぼ面一)


複数の窓を組み合わせる村野式組子窓も健在です。
内部に入って1階の市民ホール。
ストックホルム市庁舎から影響を受けていると聞くと納得の雰囲気です。ただ、現在はワクチン接種の都合でパーテーションで仕切られていました。(残念)
2階の手すりには、椅子の座面をカットしてデザインとして使用しています。工業製品も活用するところがアヴァンギャルドですね。


ホールには、下の階につながるらせん階段もあります。

一段目が浮いていたり、低めの踊り場、滑らかな側桁がとても綺麗でした。

手すりなどの細かい場所も握りやすいデザインとなっています。
第4学舎で見たことのあるような手すりも・・・


4階の議場へ

赤いカーペットと木目調の設えの議場となっています。
上を見上げると白い天井は、カーペットの赤がほんのりと反射し、縁からは間接光が照らしています。
今回の投稿は以上です。
まだまだ、お伝えしたい点は多数ありますが、村野藤吾らしさがとても溢れている建築でした。
次回は、カトリック宝塚教会についてです。お楽しみに!
この投稿は2022年5月の総会で、私、市原が会長に推薦された際、所信表明で「HP活用のために任期中に100本の投稿をする」と発言したことに基づく企画であります。
本企画の記事は以下1~4のいずれかを満たす投稿としています。
- 会則の目的に「会員相互の親睦を図る」とあり、卒業生にできるだけ有用な情報を提供すること
- 同じく「関西大学建築学科の発展に寄与」するため、現役学生と卒業生をつなぐ情報であること
- 同じく「建築に関する学術・技術の進歩発展に寄与」するための情報であること
- 「建築」という単語を入れること
20230220