010 3D PRINTED HOUSE

さて、今朝(2022年の8月11日)ラジオから、「3Dプリンターで家を建てた」というニュースを聞きまして、「え?そんなこと出来るの?」と思いつつ、ちょっと調べてみました。


まずは、ネットに載っている8/11時点での情報はこれらです。

少し具体的に紹介しているyoutube動画がありましたので、リンクしておきます。

海外ではもう少し以前から実用化?されているようです。

幹事のみなさんにもご意見を伺いたく、市原から質問してみました。

市原:意匠性の自由度が上がるのと同時に、構造的にも独特な考え方が必要になりそうですが…

石田:日本での建築基準法を無視した観点からの見解を下記に述べさせていただきたいと思います。
・低層建築物であれば経済的にも現実的
・中高層建築物の場合、土地が狭く物価の高い所では非現実的
・これまでのRC造では無く新素材での現実味があるのでは
いずれにせよ、建築基準法が問題です。

市原:なるほど、これ日本での建築確認ってどうなるのでしょう?

井上:今年に入って、3Dプリンタ施工による建築確認申請を取得した建築物が登場しています(述べ面積17m2の平屋建て)。
ただ、構造は鉄骨造で、3Dプリンタで工場製作した外壁を配置したものです。

鉄骨造なので確認申請のルートでいけたのだと思いますが、構造部材を3Dプリンターにより建設するのは大臣認定しかなく、まだまだハードルが高いですね。

安藤:その大臣認定は、大林組さんがプレスリリースされたものかと思います。そのニュースはこちらになりますね。

井上:3Dプリンタで製作した部材を構造体として使用したもので建築確認を取得するのはまだまだ先になると思います。大阪万博のような場所で、仮設建築物として実績を積み上げるといったことが必要ではないでしょうか。

市原:いずれも実証段階なんですね!
そうなると、大学の設計製図の授業でも取り上げられそうですか?我々の頃は、確か夏休みの課題で、木造骨組みの模型とか、自身で設計した建物の模型製作があったような気がします。これだったら、3Dプリンターがあれば、勝手に模型作ってくれますね(笑)

西田(貫):3Dプリンターは、デザインの自由度から最近植木鉢や家具など身近なものでも活用されてきていると感じていましたが、比較的小さなものを作るイメージが強かったので、住宅規模のような大きなものも作れるとなると、建築業界のデザインの幅も一気に広がりそうですね。

市原:個人的には、風通しどうかなぁ?とか、増築しにくいかなぁとか考えてしまうけど、ちょっと住んでみたい気がします。

靍谷:価格はとっても魅力的です!
防水や修理はどうするのかと思いました。
設計士さんは、施主さんと3Dをつなぐことが今後のお仕事のひとつになりそうですね。

市原:確かに。メンテナンス性や法的なことなど課題はたくさんありそうですが、夢のある取り組みだと思いました。



技術の進歩と世界の動きは建築会でも時々刻々と変化していますね。このような形で情報共有が図れると同窓会も意味があるものになってきますね。今回の投稿は以上です。次回をお楽しみに!

この投稿は2022年5月の総会で、私、市原が会長に推薦された際、所信表明で「HP活用のために任期中に100本の投稿をする」と発言したことに基づく企画であります。

本企画の記事は以下1~4のいずれかを満たす投稿としています。

  1. 会則の目的に「会員相互の親睦を図る」とあり、卒業生にできるだけ有用な情報を提供すること
  2. 同じく「関西大学建築学科の発展に寄与」するため、現役学生と卒業生をつなぐ情報であること
  3. 同じく「建築に関する学術・技術の進歩発展に寄与」するための情報であること
  4. 「建築」という単語を入れること

20220907